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も偶にはレーススカートなんてどうですかぁ?」  一緒にショッピングモールを練り歩いたスイートアリッサムが最終的に勧めてくれたのは、彼女お得意のミモレ丈のレーススカートだった。
「レーススカートかぁ。最近は持ってないですね」
「でしょう? 今度これで双子コーデしましょう♪ アングレカムの皆ったら乗ってくれなくて〜」
「社交的に見えて仲良しこよしって感じではありませんものね、彼女たち」
だけですよぉ、私と双子コーデしてくれるの!」
「するとはまだ言ってません」
「これから言ってくれるんですよね♪」
「あ、ロードデンドロン警備保障……」
「ショッピングモールには警備員がつきものですけどね〜、あれは珍しい幹部クラスじゃないですかぁ? ペリドット区のモールにわざわざ出向くなんて、事件でもあったのでしょうか〜。こわ〜い」
 大して怖がってはいないであろうスイートアリッサムに腕を絡められ、肩に頭を乗せられた。その頭の花冠の香りが一層、肩の力を奪う。

 眩しい白のジャケット。
 見覚えのある長身の赤毛。
 私がリバースパーティのオーガナイザーをしていた頃から因縁がある、ロードデンドロンの幹部グラジオラスだ。

「やぁ、じゃないか。そのお嬢さんとデートかい?」
「そうでーす」
「違いまーす」
 調子を合わせて否定した私にスイートアリッサムはペロリと舌を出して、ほの甘い笑みを見せる。
「貴方が警備保障のジャケットを着てこんな所にいるなんて。何か良からぬことでも?」

Nightmarish! ... Top